「スケッチ・オブ・フランク・ゲーリー」レポート

観てきました。Bunkamuraのル・シネマでやっている「スケッチ・オブ・フランク・ゲーリー」。
ものすごく、まっとうなドキュメンタリーでした。
ゲーリーの建築物をみればわかるとおり、ものすごく異端なのですが、本人もまわりも証言しているとおり、異端扱いされてたんですね。
でも、それを貫き通して、いまやスーパースターに。
ゲーリーを支える多くの人たちがいて、彼の天才は芽を出したのですね。
特におもしろかったのが、その模型の制作過程。
光沢のある銀の厚紙を、切ったり、くしゃくしゃにしたり、蛇腹にしたりして、くっつけたり、ななめにはりつけたり、と、あーでもないこーでもないと、アシスタントと一緒にやっていました。
ゲーリーが、「なんか気に入らない。。。わかるだろ?。。。側面が。。。わかった! それをああしてこうすればいいんだ。だろ?」ってな感じで、模型をいじっていて、とても数十億、数百億のプロジェクトとは思えない工作時間でした。
ラフスケッチも、グニャグニャでミミズが這ったような(失礼)スケッチですが、それを弟子たちが模型化し、3Dスキャニングしてデジタイズし、構造設計まで落とし込んでいました。あの絵で、これできんの!?みたいな。
観ていてそれは、建築家というよりか、むしろアーティスト。
実際に作品も彫刻のようですし、映画のなかでも、彼は建築の概念と芸術の領域を変えてしまった、的な発言をしている方がいました。
彼自身、若いときは陶芸をやっていたそうで、そのあたりも影響してそうですね。
また建築界よりも芸術系な人たちと親交が深かったそうです。
旧知の友である監督のシドニー・ポラックだからこそ引き出せたインタビューとして、ポラックもゲーリーもともに、芸術性と商業性との折り合いをつけるのに苦労したことを語っていました。ある程度の範囲を決めて、そのなかで自分の表現を引き出すこと、それによってうまく事が進んだ、と。
作品的には自由奔放に見えますが、そんな裏話があるものなのですね。
ハンディな(古い)カメラのせいで、画質がよくなかったのが残念でしたが、ゲーリーの魅力は十分に感じることができました。
グッゲンハイム美術館 ビルバオ分館には、ぜひ行ってみたいと思います。
