カルティエ現代美術財団コレクション展

東京都現代美術館で開催されている「カルティエ現代美術財団コレクション展」に行ってきました。
7月2日(日)までなので、もうすぐ終了なのですが、とっても混んでました。
まえに、「イサム・ノグチ展」に行ったときも混んでいて、結構驚きました。
一時期は運営の雲行きがあやしかったり、現代美術は難解でお客が来ない、なんて言われていた東京都現代美術館ですが、なかなかやりますね。
さて、カルティエといえばジュエリーや時計などのブランドとして有名ですが、現代美術の世界では有数なコレクターとして名を馳せています。
設立から22年、ジャン・ヌーベルが設計したカルティエ財団現代美術館が1994年にできて10年以上が経過していたカルティエ財団。門外不出だったコレクションがはじめて、それも東京に来たのだそうです。
特に、メインビジュアルにもなっているロン・ミュエク(Ron Mueck)の《イン・ベッド》は圧巻。ベッドに横たわり、頬に手を当てて物憂げにしている女性を、とことんまでリアルに、しかしその縮尺は数十倍になっている作品。あまりにも巨大ながら、肌の質感が究極なまでに艶かしく、血管やしみまでが本物のよう。見ている人全員が、触ってみたくなるほどリアルです。指が食い込んだ頬は、指を離せば元に戻るように思えるくらい、弾力感にあふれています。
ですが、じっと見ているとおかしなことに気づきます。全体のフォルムがいびつなのです。
体にくらべて顔が異常に大きく、手は顔の半分程度。シーツに隠れている立て膝も長さが合いません。これにより、奇妙な居心地の悪さを感じはじめ、それは、斜め上を見上げながら思案に暮れる表情とあいまって、異様な不安感をあおります。
いたって健康に見えながら、病的な不安がある現代をうまく表している作品でした。
ほかには、デニス・オッペンハイム(Dennis Oppenheim)の《テーブル・ピース》は、20mくらいあるテーブルの両端に白と黒の衣装を着た人形がののしりあいをし、次第にミニマルなサウンドになっていくというシュールな作品や、トニー・アウスラー(Tony Oursler)の《ミラー・メイズ(死んだ目が生きている)》というタイトルのグラスファイバーの球体に接写した眼球が投影されているちょっとウルトラQな作品も好みでした。
また、AUの携帯で一躍脚光をあびたデザイナー、マーク・ニューソン(Marc Newson)の《ケルヴィン40》はSF作品に登場しそうなジェットエンジン搭載の飛行機はカッコイイ!の一言。さらに、屋外にはパナマレンコ(Panamarenko)の《パナマ、スピッツベルゲン、ノファ・ゼンブラヤ》という潜水艦(まるでイエローサブマリン!)が鎮座していました。


というぐあいに、とかく難解と言われがちな現代美術ながら、子供でも楽しめるほどに愉快な作品がたくさんありました。実際、子供づれの方も多く、大喜びで見ていたようです。
もう残りわずかの会期時間ですが、ちょっと覗いてみるのもいいと思いますよ。

「イン・ベッド」の女性・・・どう見ても顔は男性に見えてしまうのは私だけ?
ダヴィンチ自身がモデルといわれているモナリザを彷彿させますね。
カルティエは確かにすごいコレクターですよね。
個人的にカルティエ時計のデザインはかなり好みですが、自らのデザインはクラシカルなのに、収集するアートがモダン・・・そのギャップがまた興味深いところです。
みきゃさん
たしかに、男性っぽいかも。
つか、ジェンダーレスかも。
この作者、もともとは映画などの撮影に使うマネキン製造をしていたそうです。
だから、超リアル。
カルティエ財団の思考としては、現代美術作家の作品を蒐集したり、委託制作することでアクティブな文化性をアピールしたいのかもしれませんね。
Posted by: Masslogue at June 30, 2006 1:18 AM