リウム美術館
韓国の財閥サムスンが手がけた新しい美術館リウム(Leeum)に行ってきました。完全予約制で、10日前までに申し込まないと入場できないので、今回は外観だけチェックしています。といっても、マリオ・ボッタ、ジャン・ヌーベル、レム・コールハースの建築界のスーパースター達がそれぞれテーマを持った美術館を作り、1箇所で堪能できるのですから行かないわけにはいきません。
ということで、短い滞在時間の合間をぬって行ってきたリウム美術館のレポートです。
ソウル市 竜山区(ヨンサング)漢南洞(ハンナムドン)にあるリウム美術館は、サムスンの会長宅のそばにあります。タクシーの運転手はリウム美術館のことは知らず、途中で市役所まで行って聞いてきてくれました。
やや高台にあるリウム美術館に乗り付けると、見えました!
巨匠3人による夢のコラボレーション!
いや、競作はしていなくて、それぞれが別の目的を持つ美術館を作っているので、3つの建物があるのです。それぞれに自分流を貫き、一目で誰の作品かわかります。
MUSEUM1 - マリオ・ボッタ




正面から見ると一番奥まったところにありながら、一番目立つのがレンガのビアジョッキのようなMUSEUM1。マリオ・ボッタらしい幾何形体の作品です。MUSEUM1は伝統美術品を中心にした展示物となっていて、マリオ・ボッタは韓国の陶磁器のメタファーとして建物自体を逆円錐形と直六面体の構造物としてデザインしたそうです。外壁はテラコッタのレンガで覆われていて、一瞬ここが韓国だということを忘れてしまうような空間になっています。
地下は自然光が差し込む幻想的なロビーとなっていて、ゴージャスで格調高い雰囲気を漂わせていました。
MUSEUM2 - ジャン・ヌーベル


エッジの効いた漆黒の建物は、穿たれた部分から屹立していますが、遠目からは導線的に中層階からしか見えないので、最初に目に入る異質感を和らげていると思いました。これがジャン・ヌーベルによるMUSEUM2。現代美術をテーマにしています。上層部はガラスの外壁と錆びたステンレス板の直六面体展示ボックスで、軒下は正方形に組まれた梁が通してありました。下を覗いてみると、庭園が広がっていて木々がまっすぐに伸び、黒と緑のコントラストが鮮やかです。
サムスン児童教育文化センター - レム・コールハース




そこから視線を上げると、レム・コールハースのサムスン児童教育文化センターが見えます。なだらかなカーブを描く坂の上に作られたこの建物は、そのカーブにあわせて弧を描き、ガラスの軽やかな外観とあいまって期待感をあおりますが、むしろ、目立たないくらい控えめな作りです。階段とスロープを多用し、それぞれの建物につなぐハブとしての役割も持っています。




センターの前にはデッキが広がり、彫刻庭園の趣き。ここから、3つの建物を見ることができます。







センター内部の中心には、ブラックコンクリートでできた中2階風の巨大な箱があります。ブラックボックスと名づけられたこの展示空間は、地上と地下を隔てながら、未来を感じさせるセンター全体の導入口としても機能しています。
贅沢で、そして異質なリウム美術館
と、3人の天才建築家が作った3つの建築物が一堂に会したエリアは世界中を見てもここだけです。そこはまさに贅沢な空間で、建築好きなら一度は礼賛すべきでしょう。
でもでも、3つの建物が調和してるかというと、外観からはそのような意図は感じられません。なにかしら繋がりがあるかと思いきや、導線は地下通路からのアクセスとなっていて、地上部分は3つが独立して存在している印象を受けました。それはそれで意図的なのかもしれませんが。にしても、贅沢な空間であることに変わりはありません。
前述の通り、予約していなかったので中には入れませんでしたが、内部を少しだけ撮影させていただくことができました。同行のTさんがうまく通訳してくれたようです。
次回は、ぜひゆっくりと時間をとって美術館内部も見ていきたいと思います。
ソウルの都心、漢江を見下ろす南山のふもとに位置するサムスン美術館リウムはサムスン児童教育文化センターと合わせ3つの建物から成っており、過去・現在・未来の芸術文化が調和する文化公益空間です。
スイスの建築家マリオ・ボッタ(Mario Botta)が韓国の伝統陶磁器からインスピレーションを得て設計したMUSEUM1は韓国の伝統美術を展示する古美術館であり、フランスの建築家ジャン・ヌーヴェル(Jean Nouvel)が革新的な材料とデザインで具現したMUSEUM2は現代美術の常設展示空間です。企画展示機能と教育機能を同時に担うサムスン児童教育文化センターはオランダの建築家レム・コールハース(レム・クールハース、Rem Koolhaas)が未来の芸術と文化を湛えるこの空間の性格に合わせ、実験的な演出を行ないました。
この3つの建物にはそれぞれの建築家の個性を現す多用な材料と革新的な技法が使用されています。マリオ・ボッタは土と火を象徴するテラコッタ・タイルで韓国の陶磁器の美しさと、MUSEUM1が持つ堅牢な性格を形にし、ジャン・ヌーヴェルは世界で初めて錆びたステンレス・スチールとガラスを使用し、現代美術の先端性を表現しました。レム・コールハースも初めて試みる材料であるブラックコンクリートを使用し、宙に浮いているような未来的空間を実現しました。
世界的建築家3人の互いに異なる個性の建物が寄り添いながら、新たな美観を作り上げているサムスン美術館リウムは過去と現在、未来をつなぐ新しい概念の複合文化空間として、建築による文化体験を提供します。
住所: ソウル市 竜山区(ヨンサング) 漢南洞(ハンナムドン)747-18
(地下鉄6号線ハンガンジン(漢江鎮)駅)
電話番号:02-2014-6901(予約時間−毎週火〜土10:00〜15:00)
開園/館時間:10:30〜17:00
休日:毎週月曜日
その他の情報 :
常設展(MUSEUM1,MUSEUM2)一般10,000ウォン/青少年(3-18歳)6,000ウォン(企画展などの観覧も予約が必要、常設展を観覧する場合は無料で観覧可能)
※電話予約制。予約は観覧予定日の2週間前から10日前まで、本人を含めて4人まで可(団体50人まで)。電話予約は日本語対応も可。ホームページからも予約可能。
Link: リウム美術館(韓国語、英語)
あー、行ってこられたのですね!いいなぁ・・・。
やっぱりレム様の建築はカッコイイですよね。
独特の動線計画がゾクゾクします。行って見たいです〜!!
Masslogueさん、韓国の旅レポート、楽しく読ませて頂きました。
リウムも行ってこられたんですね(中には入れなかったとのことですが)。
僕も行きたいと思っているのですが、いつになるやら・・・。リウムはHPもなかなか情報が充実していて見ているだけで楽しくなります。
それにしてもサムソン、数年前とはイメージがだいぶ変わってガ〜ッときましたね。
feltmountainさん コメントありがとうございます。
リウムはパンフレットも充実していて、気合を感じました。
確かにサムスンは、グローバルカンパニーである自負が漂ってきていますね。
