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4 27, 2005

「谷口吉生のミュージアム」展 レポート

mbyt.jpg東京オペラシティアートギャラリーで開催されている「谷口吉生のミュージアム」展に行ってきました。MoMA(ニューヨーク近代美術館)新館の設計で、世界中の有名建築家とのコンペを競り勝ち、日本人建築家としてその名を轟かせた巨匠の仕事を追った展覧会です。

構成は大きく分けて2つ。
1つめは、前述のMoMA新館プロジェクトについて。精密模型やコンペ用の資料、設計図面、完成写真、プロジェクターでの映像投影にマスメディアの反響などを集めたものなど、多角的に網羅しています。
2つめは、谷口吉生が過去に手がけた建築物の写真と模型、PCでのスライドショーで、こちらも見ごたえあり。

MoMAは、1939年のグッドウィン&ストーンによる水平線を強調したファサード、1951年および1964年のフィリップ・ジョンソンによるガラスと鉄骨のミース風建築(彫刻庭園含む)、1984年のシーザー・ペリによるミュージアムタワーと、その時代に応じたモダニズム建築を取り入れてきましたが、今回、谷口吉生は歴代のMoMA建築に敬意を払い、ファサードをそのまま残しています。また、彫刻庭園と、新しく作られた「光の庭」のように、新旧の要素を対にして並置し、時間的な変遷も含んだ次元で設計を行なっています。

写真しか見ていませんが、とにかく精緻で繊細で、とても美しく、優雅な建築だと思いました。MoMAの要求に最善を尽くし、かつ非常に日本的な回答をしたように感じます。

その思いは、後半に展示されている過去の作品を見て、なおさら強くなりました。

谷口作品の魅力は、地形や過去の建築物を生かしながら新しい建築に仕上げる能力、静謐で理路整然なフォルム、論理的な回遊動線設計だと思いました。
また、水平線と垂直線を重視し、均衡が最大の要素であると主張しているかのようです。水平線を強調するために、水深の浅い水盤を配し、ことさらにそれを強調していることからもそれは明らかです。

それでも、主張しすぎない、そこにあること自体が自明である、という印象を受け、谷口吉生の建築哲学に触れたような気がしました。
これって、本当のプロの仕事なんだな。

最後に、Casa BRUTUS(No.58 January 2005)の谷口氏のインタビューから抜粋。
「モダンの特徴のひとつは、機能的かつシンプルにすることであり、純粋化する過程であると思います。私の建築に見いだされる特徴です。」

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ニューヨーク近代美術館(MoMA)巡回建築展
谷口吉生のミュージアム
MUSEUMS BY YOSHIO TANIGUCHI

期間:2005.4.8[金]─ 6.26[日]
会場:東京オペラシティアートギャラリー
開館時間:12:00 ─ 20:00(金・土は12:00 ─ 21:00/いずれも最終入場は閉館30分前まで)

休館日:月曜日(ただし5月2日[月]は開館)
入場料:一般\1,000(\800)、大学・高校生 \800(\600)、中学・小学生 \600(\400)*( )内は15名以上の団体料金、夜間割引=閉館1時間前以降の入場は半額/その他割引制度あり。
*土・日および祝日は中学・小学生無料。


Link: 「谷口吉生のミュージアム」展


日本語翻訳版を兼ねたカタログは会場で販売しています。買っちゃいました!すごくいいですよ!!

Yoshio Taniguchi: Nine Museums
Yoshio Taniguchi Terence Riley


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