ヘルツォーク&ド・ムーロン
最も注目を集めているといっても過言ではない建築家ユニット、ヘルツォーク&ド・ムーロン。テート・モダンのリノベーションに成功し、一躍世界中から注目をあつめる存在になってからも、意欲的に、挑戦的に数々のプロジェクトを手がけています。ドイツ・ワールドカップの競技場や、北京オリンピックのメインスタジアムも手がける彼らの活動を追ってみました。
ヘルツォーク&ド・ムーロン herzog and de meuron
ジャック・ヘルツォークとピエール・ド・ムーロンはともに1950年、スイスのバーゼルに生まれる。双方ともETH(チューリヒ連邦工科大学)の建築学科で学び1975年に卒業。1979年に一緒に事務所を開き、1990年にハリー・グッガー、1991年にはクリスティーヌ・ビンズヴァンガーをパートナーに迎える。ジャック・ヘルツォークが1983年にニューヨークのイサカにあるコーネル大学に召喚され、さらにジャックとムーロンの両方がマサチューセッツのケンブリッジにあるハーバード大学にゲスト・プロフェッサーとして1989年と1994年、そして1996年-98年に招かれた。事務所は、レミ・ツォークといったアーティストらと定期的にコラボレーションしている。2001年プリツカー賞受賞。
主要な作品に、<フォトスタジオ>(ドイツ、1982)、<リコラ・ヨーロッパ社工場・倉庫>(スイス、1987)、<SUVA集合住宅&オフィス>(スイス、1993)、<シグナル・ボックス>(スイス、1995)、<ゲッツ・コレクション>(ドイツ、1992)、<プファッフェンホルツ体育館>(フランス、1993)、<ブルゴーニュ大学学生寮>(ドイツ、1999)、<ドミナス・ワイナリー>(アメリカ、1997)、<リコラ・マーケティング・ビル>(スイス、1998)、<テート・モダン>(イギリス、2000)<プラダブティック青山店>(東京、2003)などがある。また、現在、ドイツ・ワールドカップの競技場<アリアンツ・アリーナ>(ドイツ、2005年)、北京オリンピックにむけた<オリンピックスタジアム>(中国、2008年完成予定)、<金東新区開発>(中国、2003-)、フラメンコ関連の文化プロジェクト<Ciudad del Flamenco>(スペイン、2005年完成予定)などが進行中。
ヘルツォーク&ド・ムーロンの建築は、初期においては表層をいかに展開していくかという命題に取り組んでいたようで、ガラス、石、メタルなど数々の素材で革新的な建築を創り出してきました。ラッピング・アーキテクチャーとでも言えばいいのでしょうか。表層が建築物自体の主張をするという確固たる信念があるような気がします。
その方向性が劇的な変化を遂げるのが、テート・モダンのリノベーション。ロンドンに古くからあり、すでに不要になっていた火力発電所の外観を(巨大な煙突さえも)ほとんど残し、内部を広大で、モダンで、ドラマティックな空間に作り変えました。これって、構造と主張による建築、なのではないかと。
Tate Modern (2000)/テートモダン(イギリス、ロンドン)




これで世界的な名声を手にし、以降はさらに発展していきます。特に有名なのはプラダのプロジェクトで、NYのアメリカ本部、イタリアの縫製工場、配送センター、青山のショップの4つの建築物。プラダ 青山店は、菱形のガラスで構成されたオベリスクのような外観で、ものすごいインパクトです。
ここにおいて、表層と構造は表裏一体となり、ヘルツォーク&ド・ムーロンの建築は恐ろしく知的で、優雅で、そしてカッコイイものにどんどん進化していっています。
現在、巨大プロジェクトがいくつも進行中。特に有名なのは、ドイツ・ワールドカップ競技場であるAllianz Arenaと、北京オリンピック・スタジアムです。もう、すごいとしか言いようがない。。。
Allianz Arena/アリアンツ・アリーナ [2006年ドイツワールドカップ会場](ドイツ、ミュンヘン。2005年完成予定)



National Stadium Beijing/オリンピックスタジアム(中国、北京。2008年完成予定)




独自のスタイルを持たず、作風がますます多様化しているのは、彼らが多言語国家であるスイス出身であり、また固定したイデオロギーやスタイルを持たないことを信条としているから。
プロジェクトに固有のポテンシャルをいかに引き出すかを常に意識し、思考し、対話しているからこそ、できる建築なのですね。
Pfaffenholz Sports Centre (1993)/プファッフェンホルツ体育館(フランス、サン・ルイ)



Signal Box, Anf den Wolf (1995)/シグナル・ボックス(スイス・バーゼル)



Ricola Marketing Building (1998)/リコラ・マーケティング・ビル(スイス、ラウフェン)、



Dominus Winery (1998)/ドミナス・ワイナリー(アメリカ、カリフォルニア)

Library of Eberswalde Technical School (1999)/エバースヴァルデ技術学校図書館(ドイツ、エバースヴァルデ)

Walker Art Center/ウォーカー・アートセンター増築(アメリカ・ミネアポリス、2005年完成予定)


Link: hdm
| Herzog & De Meuron, 1992→1996: the Complete Works | |
![]() | Gerhard MacK Birkhauser (Architectural) 2005-02-28 売り上げランキング 110,033 Amazonで詳しく見る |
テート・モダンは去年の冬に行ってきました。なんといったらいいのか、外観はテムズ川沿いにどっしりと構える文鎮みたいな感じ。
あそこは作品の展示の仕方も独特で、キュレータの方の質の高さが窺えます。また来たい、と観終った直後に思うような美術館でした。
Masslogueさんは行かれました?
Posted by: fujikata at 2004年12月 7日 15:10トラックバックありがとうございます。とても読みやすく、詳しくて参考になりました。
他の記事も見ましたが、カラトラバはわたしも好きです。構造がそのままダイナミックな形になっていてかっこいいですよね。それとヴォルフガング・ティルマンス展も気になっていたのですが、これは絶対行かなければ・・・
では。
fujikataさん
コメントありがとう。テート・モダン行きたい?!!!
イギリスはトランジットで空港経由しただけの上陸経験しかありません。
行きたいなー。いま、すごくおもしろいところになってる気がする。
eneroさん
はじめまして。コメントありがとうございます。
カラトラバいいですよねぇ。
なんとなく恐竜の化石を思い出すのですが(笑)
ティルマンス展は本当におすすめです。
行かないと、損しちゃいますよ?
あ、行ったら必ず野又穫展も観てください。
渋くて、すごくいいんです。
TB有難うございました。
taste topのdawnです。
うー、これに行かれた方のコメントを読めば読むほど、充実ぶりも伝わってきて、かなり行きたい…。
あのblogは自分が得た情報のメモの場でもあるので、行きたいが故にピックアップしているのですが。。。
ただ、私のトコロからだとそこそこ遠く、期日までにその時間を取る事が難しい。
非常に残念。。。
dawnさん
コメントありがとうございます。
テート・モダンは本当に行きたいスポットですね。
あ、dawnさんのサイト、非常に充実してます。
気に入りました。メモがわりに利用させていただきます(笑)
Massloqueさん
すっかりコメントが遅くなってしまってごめんなさい!
トラックバックして頂きありがとうございました。
読み応えのある記事ですねっ。
ゆっくり拝読させて頂きます!
テートモダーン、改装前、改装中(外観見学)、改装後、
私も参じました。
静を感じる空間が好きです。
コンテンツの目的を煽りだす、
という意味でとても素敵な空間だと思いました。
emminarasakiさん
コメントありがとうございます。
テートモダン未経験です。
うう。うらやましい。
来年こそは、と思う今日この頃です。
ヘルツォーク事務所でプラダなどを担当されていた菊地さんのページも必見ですよ。最近独立されたようです。国産ヘルツォークを作ってくれるかも。
http://home.att.ne.jp/sun/kik/index.html
Posted by: minori at 2005年3月19日 00:27minoriさん こんばんは
菊地さんのページ拝見しました。
いいです。おしゃれです。
国産H&DMだなんて、期待してしまいます!
拝見させていただきました。綺麗な写真がいっぱいで見とれてしまいました。
またちょくちょく見に来ます。
buraniiさん はじめまして。
サイト訪問していただき、ありがとうございます。
buraniiさんのサイト、非常におもしろく拝見しました。また遊びにいきますね。




