野又穫

本棚を整理していたら、野又穫の作品集がでてきました。最近、『白い巨塔』のタイトルバックにでてたらしく、話題になった画家です。文学界の表紙でも有名。野又穫は、人間が一切登場しない建物を描き、そのフォルムはどこかで見たような、でも決して存在しない空想建築物なのです。
野又の描く建築群は、過去にも未来にも属さない未知の時空系列のうちに存在しているようにみえる。だがそれはいわばイデアの世界であり、わたしたちの現実や精神に謎を与え、相対化させ、測り、照らし出す鏡のような存在でもあるのだ。これらの建築は、そこで、わたしたちの希望の原型として、成長しつづけているのである。? 倉林 靖/美術評論家
Japan Design Net
野又穫が描く現実と非現実の境界線上にあるその建築物は、なんだかひどくなつかしいようで、軽い既視感を覚えます。展覧会にも何度か足を運びましたが、画集で見るのとはまた違った印象で、特に感じたのが絵が“生きている”という感覚でした。
人間が描かれず、建物だけなのに生きているというのも不思議なのですが、2m四方(作品によってはもっと大きい)の絵の前に立つと、空の雲がゆったりと流れるのが見え、風の音さえ聴こえるように感じるのです。
ワイエスの静謐さや、キリコの建築物との近似性なども感じます。が、野又穫がとった手法は明快で建築物が風景と環境を取り込み、表情を持つに至ったのです。だから、“生きている”んだと思います。
もうかなり前からファンで、渦中の青山ブックセンター・六本木店で画集を購入したのをよく覚えています。今では昔買った2冊とも絶版。サイン入りだったりしてすごく宝物なのです。西武百貨店の展覧会や銀座の画廊にも行ったなー。いつか本物の絵を買って、絵を眺めながらぼんやりするのが夢です。
NOMATA STANDING STILL 野又稔画集(絶版)

NOMATA PAINTINGS(絶版)

過去の作品を網羅した作品集が発売されています。必携です。
Points of View - 視線の変遷 - 野又穫作品集

そういえば、「ICO」っていうゲームもかなり似た雰囲気を持っています。
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homo-faber BLOG: 野又穫
人のいない(つまりアリエナイ)ロケット発射台のようです。BAIKONUR NOBODY。
Posted by: mono at September 4, 2004 1:48 AMロケットもいつ発射したのか、してないのか。未来か過去かわからない時間を超越したものを感じます。
Posted by: Masslogue at September 4, 2004 12:36 PM